デコポンポンカン柑橘類

心の宝石箱にしまっておきたい思い出

浮かれ気分で➀

18時に最寄りの駅で待ち合わせ。私が着いてすぐに先輩が来た。どうやら私の後ろを歩いていたらしい。私浮かれてて気づかなかったんだなきっと。電車に乗り席が空いていたので2人で隣に座る。近況報告をしたんだっけ、何を話していたかは忘れたけれどとりあえず何か話していた。私は先輩が隣に座っていることにちょっと緊張していた。


行ったお店が海の近くのお店なんですよ、素敵じゃないですか。デートみたい。ほんのり浮かれながらお店に入りごはんをちょっと食べ、お酒を飲んでいっぱい話した。かなり先輩から質問されまくってたけど。ところどころであぁ好きだなぁって思う瞬間があって。

高校の話で私が中高一貫校だったと言うと多くの人は「へぇそうなんだ」か少し嫌味な人なら「お金持ちね」みたいなことを言うのだけど、先輩は「ご両親の方針なんだね」だった。そんなこと言われたの初めてでびっくりした。けど実際そうだから。お金持ちなわけでもなくただ両親が良いと思ってしてくれてたから。すごく嬉しかった。


「紙ってね破ってすぐくっつけると戻るんだよ」「??」

先輩はメニューの紙を目の前に出しビリっと破ってすぐに戻した。

ように見えただけで音を使ったマジックみたいな。

そういうのめちゃくちゃ好きなの、私。父がそんなことばっかりしてよく遊んでたから。

恋愛関係のこともいっぱい訊かれた。お互いに恋人がいるいない、というのは明言してなかったけど話の流れでお互いにいないのがわかった。


もちろんのことのように先輩がお支払いしてくれて。こういう時どうしたらいいのかよくわからないのだけど甘えさせてもらって素直に喜んでお礼を言った。


電車で帰ったわけなんだけど、誰もいない電車に2人並んで隣に座るのがまたドキドキした。最寄りの一個手前の駅でしばらく電車止まってて、その時点でまだ9時前。ちょっとまだ帰りたくなくて「まだ9時前なんですね」とかそんな雰囲気出るかな〜なんて思って言ってみる。「もう一軒行く?」優しい先輩は求めていた言葉を言ってくれた。