デコポンポンカン柑橘類

心の宝石箱にしまっておきたい思い出

素敵な春の夜

2週間くらいたった日の夕方、先輩からLINEがあった。「今日の夜空いてたりする?」

残念ながらその日の夜はバイトがあったけど、先輩からそう言われたら会いたいに決まってる。「バイト終わりの10時半とかは遅すぎますか?」とまぁ、いや10時半はもう空いてないって送れよというような感じだけれども、そんなことどうでもよくて少しでも会えるのならと思いそう返信をした。

「全然平気だけど遅くなっちゃうよ、お家の人は心配しない?」と相変わらず優しい。全然平気です!と答えてバイト終わりに会う約束をした。


バイトが終わり、いつもはタラタラ片付けているが早々に片付けて、いつもはしないメイク直しもして駅へ向かう。

先輩はもうご飯を食べたらしかったから飲みに行きますか、という話だったのかな、確か。駅周辺でどこか探すか、ちょうど桜も咲いてるし公園飲みをするかという二択を出された。正直まだ肌寒いような気がしてどこか入りたいな〜とも思っていたのだが、少し駅周辺を歩いた後、公園飲みにしましょうとなった。先輩の家の隣の公園で。

最寄りの駅前のスーパーでお酒とチータラを買った。(先輩が買ってくれた。)お酒を選ぶ時先輩は金麦を選んでたな。「お花見と言ったら金麦じゃない?」と。


その公園は毎年桜がなかなか見事に咲いている。夜の公園だからだいぶ暗かったけど顔がはっきり見えると恥ずかしいからちょうど良かった気がする。満開の桜の木の下のベンチに二人並んで腰掛ける。バッグを真ん中に置こうか少し迷ったけど自分の左側に置いて真ん中にはチータラを置いた。


先輩就活でES書くのがつらいらしい。「自分の長所とかわからないし。背が高いくらいしかない。背が高いから視野が広く〜」って、それは物理的な理由(笑)そんなユーモア溢れるところが素敵で好きですけど。


夜は短し歩けよ乙女」の映画を観てきた話をして「四畳半神話体系」のアニメの話を聞く。それが好きだという先輩がやっぱり好きだなと思った。なかなか好きな人に出会わないから。


風が強くて桜の花びらが地面を舞っていたそんなのも素敵で。色々話していた途中でほっぺたを指でツンとされた。んんん〜という感じで別に何も言わなかったけれど内心ぎゅっとした気持ちとふわふわとした気持ちの多幸感で舞い上がりそうだった。


夜の公園はリラックスできてたくさん話せた。いつの間にかベンチでの先輩との間がなくなっていてなんか密着していたのだけど。好きなんだけど距離が近すぎてほんのりドキドキする感じがなんとも心地よくてずっとこのままでいたいな、なんて思った素敵な春の夜を過ごした。





あんまり素敵な思い出だからきっと忘れることはできないと思うし、毎年桜の季節に思い出すんだろうな。まぁ素敵なことに変わりはないし無理に忘れる必要もないから書き残しておいて大切にしておこうっと。